3Dプリント(3DP)

3Dプリント(3DP)について
3Dプリントとは

当社で用いている3Dプリンタは、インクジェットヘッドから紫外線硬化樹脂をテーブルに塗布し、積層してモデルを形成する方式です。積層方式なので、アンダーカットがある形状も一体加工での造形ができることが特長です。また、光造形と同様に積層目も出ます。
光造形との大きな違いの1つは、積層ピッチが細かいことです。光造形は最小ピッチが0.05mmですが、3Dプリンタは0.016mmで積層ができ、より製品の表面がなめらかな造形が可能です(ピッチ指示がない場合は、通常は0.029mmで積層いたします)。また、サポートに溶解可能なワックスを用いることが、光造形と異なるもう1つの大きな違いです。積層ピッチが細かいことと、サポートがワックスであることから、光造形が苦手とする彫刻形状でも、3Dプリントなら表現ができます。
その一方で、テーブルサイズが小さいため、あまり大きな造形ができません。また材料が高価なので、それなりの価格がします。積層ピッチが細かいので、高さのある形状には、そこそこの時間が掛かります。光造形と同様に塗装が可能です。
【通常工期】手の平サイズで3~6営業日
【寸法公差】中級~粗級
【主な材料】紫外線硬化アクリル樹脂
【取扱材料】Visijet Crystal(タフ・プラスチック)
【工法・概要】テーブルにインクジェット方式で材料を吹き付け、積層ピッチ16~32μm(0.016~0.032mm)で積み上げて造形する方法
【加工工程】プログラミング→3Dプリント→脱脂処理→仕上げ
【マシンテーブルサイズ】290×175×195
- 3Dプリント材料物性
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グレード VisiJet Crystal (3Dプリント用材料) 材料タイプ アクリル系 紫外線硬化樹脂 色 半透明 引張強度(MPa) 42.4 引張弾性率(MPa) 1463(1283) 破断時伸び(%) 6.83 曲げ強度(MPa) 49 曲げ弾性率(MPa) 1159 アイゾット衝撃値(ノッチ付)(J/m) 25 熱変形温度(℃) 56(HDT) 情報元 3DSYSTEMS社HPより
3Dプリントのメリット

光造形のようなサポート痕が残らない
粉末造形のようなザラザラした質感にならない
積層ピッチが0.032~0.016mmで造形可能(通常は0.029mmで積層します)
積層方式のため、アンダーカット形状も一体加工が可能
アッセンブリデータでも造形可能※
※アッセンブリデータで造形をする際にはソリッド間に0.1mm以上のクリアランスが必要です。また構造的にパーツを分解できない場合がございます
3Dプリントの注意点

材料費が高め
強度は光造形より少し強めだが、壊れやすい条件は同様
積層目が残る。気泡が入ることがある
3Dプリントの加工の流れ
1)3DデータをSTLデータへ変換
2)STLデータから造形加工データを作成
3) 3Dプリンタで加工
4)サポート材をオーブンで溶かして除去
5)脱脂洗浄
6)塗装仕上げ(オプション)
※下記のイラストは分かりやすいように、積層間隔をかなり大きめに表現しています。
※実際は積層ピッチが0.016mm ~0.032で造形可能です(通常ピッチ0.032mm)。
(1)3Dプリンタのテーブルがインクジェット吐出口と紫外線レーザー照射部の下を前後に移動します。テーブルが通る際に、吐出口から紫外線硬化樹脂とサポート用ワックスが塗布(印刷)されます。1層目を印刷+硬化させると、テーブルが1段下がり、次の層を造形します。これを繰り返します。

(2)サポート用ワックスは低温で溶解させ取り除きます。光造形のようにサポート痕が残りません。

(3)脱脂・洗浄・乾燥を行い完了です。ご要望に応じて、塗装も承ります。

