社会人になって、たくさんのモノづくりの会社にお世話になりました。
そのお陰で身に付いた知識をアウトプットしてみようと思い、まずは加工機からまとめてみることにしました。
しかしリストにしてみると、結構な量が・・・何回かに分けて少しづつ掲載していきます。
※なお内容はあくまで当社や協力会社の場合であり、マシンのグレードや他社各社の工夫によっては内容が異なると思われます。
※当ページにできると記載していても、ご要望や形状によっては出来ないかもしれませんし、出来ないと記載していても工夫次第では、できるかもしれません。当ページの記載を加工の判断材料としてではなく、あくまで参考としてください。ぜひお問い合わせのうえ加工の可否をご確認ください。
今回は切削加工屋が持ってそうな加工機
切削加工屋が持ってそうな加工機
ボール盤
主に材料に穴を開けるための加工機。切削刃物にはドリルを用いる。汎用ドリルの先端は尖っているので穴の先端は円錐形状に凹んでいる。また穴径はドリルのφ径になる。ドリルのφ径の精度が重要となるため、汎用ドリルでは高精度の穴を開けることが難しい。
→見積注記に「この穴はドリル穴となります」とあれば「この穴は精度を出す自信がないよ」と読み替えていいのではと思います。
フライス盤
主にブロック形状の材料を切削する加工機。切削刃物にはエンドミル・フルバックなどを用いる。材料(テーブル)はXY方向に動き、刃物は高速回転しZ方向に動く。故にボール盤の穴加工は当然できる。例えばΦ10の穴を開ける場合、先にΦ10未満のエンドミルで下穴を開ける。テーブルがXY方向に動くので、下穴から徐々に穴径を広げていくことができる。結果、ボール盤より高精度の穴を開けることができる。また止まり穴の場合、穴の先端が円錐になることも無い。フライス盤は基本的に切削刃物を一つしか装着できないので(シングルチャック)刃物の切替は、その都度の手作業となる。
マシニングセンター(MC 3軸/5軸)
フライス盤の進化系のような加工機。大きな違いはマルチチャックであること。プログラムにより複数の刃物を自動で切り替えることができる。これは大まかに言えば、材料の取付と初期設定さえしてしまえば、後は機械に任せてしまうことができるということ。フライス盤の「刃物を取り替える工数」が省略でき、例えば作業者が帰宅後も加工を進めさせておくということもできる。動きとしてはフライス盤と同様、テーブルXY方向と刃物Z方向の3軸。アンダーカット部があった場合は材料の掴み変えをしないといけないが、その際に多少の誤差が生じ寸法が公差外になってしまう恐れがある。そこで高位のマシンに「5軸加工機」がある。これはテーブルの動きXY方向に「傾き」と「回転」が加わり、材料とテーブルの設置面以外は、どの方向からでも加工ができるという優れものである。掴み変えが無いので、高精度が求められる加工に活躍する。ただし高価である。
ラジアルボール盤
刃物の主軸位置が可動できるボール盤。通常のボール盤は主軸位置が動かない(刃物が上下にしか動かない)ので、穴を複数開けようとすると材料を動かす必要がある。例えば鉄の固まりとか大きくて重い物だった場合、材料を容易には動かせない。そこで主軸を可動できるようにしたものがラジアルボール盤。用途を考えると大型ボール盤というイメージ。
鋸盤(丸鋸)
丸い鋸がついた加工機。板材の裁断などに使用。
バンドソー
帯状(バンド)の鋸(ソー)がついた加工機。用途は丸鋸と一緒。対象物の大きさや形状で使い分ける。
研磨機
砥石を回転させる機械。例えば刃物を回転している砥石に押し付けて刃先を研いだりする。
バフ研磨機
研磨輪(バフ)を回転させる機械。上記の研磨機は固い砥石で対象物を削り取っていくイメージ。対して「バフ研磨」は柔らかいもので磨き上げていくイメージ。
旋盤(汎用旋盤)
回転させている材料にバイト(刃物)を押し当てて切削する加工機。材料には丸棒を用いる。汎用旋盤と聞くと、旋盤加工の中でも簡易的なものをイメージする。
自動旋盤(NC旋盤)
NC制御(数値制御)ができる旋盤。プログラムにより高精度の加工が可能。また同じ動きで製品を複数に作れるので、量産でも用いられる(というより量産用マシン)。多少複雑な形状でも対応ができる。
複合旋盤(CNC旋盤)
旋盤にマシニングセンターが合体したみたいな加工機。旋盤加工後にそのまま横穴を加工するなど、通常のNC旋盤では対応できない、かなり複雑な形状でも対応できる。こちらも「5軸機」と言われることがある。
ホブ盤(歯切り盤)
ギアやプーリーの歯切りをするための加工機。刃物にはホブカッターを用いる。基本的には旋盤で材料の外径を整えた後に歯切りを行う。
卓上旋盤(ベンチレース)
小さな汎用旋盤。ちょっとした加工の時に便利。
サンドブラスト
ショット・ブラストとも言い、研磨材を製品に吹き付けて使う。製品の表面を均等に荒らして見た目を整えたり、バリや汚れの除去だったりが目的。研磨材のことを「メディア」とも言い、メディアには様々種類がある。当社の場合、アルミ用のガラスビーズと樹脂用のクルミビーズのメディアを持っている。
NCルーター
広めのテーブルを持った加工機。刃物がエンドミル(?)。動きとしてはフライスやMCと同様に3軸。切削する対象物は板材やシート材といった薄いものがメイン(フライス/MCはブロック材がメイン)。
カッティングプロッター
広めのテーブルを持った加工機。刃物がカッター(?)紙とかシールとか薄物のカット用マシン。たまにルーターと同じのようにいう方もいる。